演劇等の創造環境の充実及び市民活動の育成に関する事業
演劇は、舞台の感動そのものを通して、世界や人間に対する新しい見方を届ける一方、地域社会のコミュニケーションに関する分野で、公共の問題解決に大きな力を発揮します。演劇が、人と人の関係性の表現と言われるゆえんです。
当財団では、演劇の持つこの力を利用して、演劇を地域社会に役立てる活動を広く展開しています。
市民活動との協力
特定非営利活動(NPO)法人札幌座くらぶ
札幌座を支援するサポーターの組織です。札幌座をはじめ札幌で活躍する劇団やアーティストと協力し、演劇を通じて豊かな街づくりを行っています。
毎月1回、演劇活動を行うアーティスト、まちづくり活動を行っている人などをゲストに招いて「シアターZOOサロン」を開催しています。ゲストのお話を聞くだけでなく、参加者が飲食しながら、意見を交わし、情報を交換する貴重なサロンになっています。
各地の演劇公演実行委員会
「清田演劇の集い」、「サンピアザ劇場で芝居を観る会」、「江別札幌座くらぶ」など、各地で草の根的に演劇公演を準備する実行委員会が立ち上がっています。これらの団体は、演劇公演を準備することを通して、地域のさまざまな団体と協力関係を作り、地域社会のコミュニティ作りに貢献しています。
演劇創造都市札幌プロジェクト
創造都市をめざす札幌は、演劇創造に関する総合的な政策を持つべきです。我がまちの劇団を創り演劇のプロフェッショナルを支援することが必要です。100人のプロフェッショナルな演劇人が活躍することをめざし、意欲的に新作が定期的に創られ、札幌で創られた演劇を世界に向けて発信できるようにめざします。2012年から、夏と冬に「札幌演劇シーズン」を開催し、地元劇団によるレパートリー作品の上演を行っているほか、提言趣意書を取りまとめ、新しい演劇創造都市としての札幌の在り方を研究し、提案し続けています。
これまで行ってきた活動
コミュニティ演劇ワークショップ
人と接し、対応することが仕事の大きな要素である人たち(私たちは「対人職業従事者」と呼んでいます)に演劇を体験してもらい、自己と他者の心身認識、自己開放、自己表現、想像力育成など、相互理解とコミュニケーションを豊かにする演劇の力を、実際の仕事や活動に活かしてもらおうという事業を数年か実施しました。その経験をまとめた本も出版しています。
「コミュニティ演劇 ― ワークショップのすすめ方 ―」 定価 1,000円(税込み)
演劇によるリハビリィ活動
富良野に老人保健施設が出来たとき、当財団が提案した演劇によるリハビリィが採用され、ホールが併設されて専門職員が赴任し、その活動が全国の注目を集めています。
視覚障害者によるトークパフォーマンス
当財団の呼びかけで生まれた「朗読劇うそっぷの会」は、現在は会員による自主的な活動に成長しました。障害者と健常者が一緒に朗読劇を楽しむなかで、それぞれに異なる障害の具体的理解や、協力して作品づくりをすることによるコミュニケーション、少しずつ表現を高めることの充実感など、多くの成果を生んでいます。
中高齢者による演劇活動
「健康生きがいづくりアドバイザー」のみなさんは、活動の一環として当財団の「コミュニティ演劇ワークショップ」に参加したことがきっかけで、お芝居を楽しむようになり、高齢者施設などへの慰問公演を行うなど、積極的な活動が続いています。